根の先の病気と心臓の病気との関係
芦屋の歯科「朝日ヶ丘タカハシデンタルクリニック」院長の高橋です。
あまり知られていませんが、根の先の病気が心臓の病気のリスクを増大させるとの報告があります。
これは日本ではなく、フィンランドのヘルシンキ大学の研究により分かったものです。
これによると、「急性冠症候群の発症率は、根管治療を要する未治療の歯がある患者では、治療を必要としない患者の2.7倍となっている」と述べられています。さらにこの研究では、根尖性歯周炎を引き起こす頻度の高い細菌によって血清抗体濃度が高くなることが分かったのです。
研究者によれば、根尖部の感染症はよくみられる疾患で（フィンランド人の約４人に１人がこの種の感染症の１つに罹患）、罹患していてもはっきりとした症状がないことから、多くの患者が感染に気づいていません。
根尖性歯周炎は歯髄における微生物感染への免疫応答であり、通常はう蝕によって起こります。研究者によれば、無症候性であることが多い根尖性歯周炎は通常、X線検査によって偶然に検出されています。この所見を踏まえると、感染性の根管治療が心疾患リスクを低下させることが考えられると報告しています。
これらの病態の関連性を確認するには、さらに研究を重ねる必要があるとも研究者らは述べています。
まだはっきりとしない部分が多いようですが、口腔感染症と心疾患や糖尿病などの慢性疾患との関連性を示した研究は多いです。
やはり身体の健康とお口の健康は密接に関係しています。
特に症状が無くても定期的に歯科医院を受診し、お口の中のチェックをすることがお口の健康を保つとともに全身の健康を保つ一助になるのです。
日本でも少しずつ定着してきていますが、欧米では当たり前のように痛くなる前に歯科医院を受診しメンテナンスを行う文化を当院では広めて行きたいと思います。
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