【直接覆髄法】柔道の練習中に歯が欠けて歯の神経が…。
歯が欠けて神経が見えている…
院長の高橋です。
今年2月に当院に受診された患者様です。
患者様は10代男性。
主訴:柔道の練習中に顔から倒れて歯が欠けた。
当院に急患で受傷直後に来院されました。
診察したところ、左上1が歯冠中央から破折し歯髄(歯の神経と血管)が直接見えている状態でした。
治療法の説明です
破折した歯冠を持参頂いていたため確認したところ、わずかの欠けのみで整復は可能な状態でした。
患者様には、
①歯髄を保護(保存)するためにバイオセラミックスによる覆髄を行い欠けた歯冠を整復(戻す)する。
②痛みを取るために抜髄処置(神経を取る治療)を行いコア(土台)を立ててクラウン(被せ物)にするかをご説明致しました。
どちらの治療法もメリットとデメリットがあります。
①のメリットは、歯の神経を残すことができ(歯髄保存)、元のご自身の歯の状態の戻ること。
歯へのダメージが最小限に出来ること。
②のメリットは、歯の痛みをすぐに取ることができること。
①のデメリットは、歯髄保存が上手くいかなかった場合は歯髄炎を起こし、痛みがでてしまった場合は抜髄処置が必要になる可能性があること。
また、整復した歯冠が食事などの刺激や衝撃により再度脱離する可能性があること。
②のデメリットは、歯髄処置により生活歯(神経の残っている歯)より歯根が割れる(歯根破折)可能性が高いこと。
以上を説明し、(まだ10代と若年の)ご年齢的にも一度歯髄保存の治療をすることに同意されました。
いよいよ治療です
治療は浸潤麻酔をしっかりと行い、周囲より唾液の浸入を防ぐためのラバーダム防湿を行いました。
すでに見えている歯髄は細菌に感染している可能性があるため、滅菌したバーにて歯髄上部を一部切断しました。
歯髄切断後、しっかりと止血を確認バイオセラミックスにて直接覆髄を行いました。
今回の直接覆髄には、「Endo Sequence BC RRM Putty」を使用しました。
この覆髄剤はパテ状で非常に取り扱いやすく、根管治療などの穿孔部修復(パーフォレーションリペア)の治療などにも使用します。
破折片を元に戻します
覆髄材が整復する歯冠部と干渉しないことを確認し、破折歯冠部を接着性レジンセメントで整復しました。
口蓋側(歯の裏側)の一部は歯が欠けて一部足らないところはレジンで修復しました。
その後、噛み合わせを慎重にチェックし咬合調整を行いました。
経過観察です
経過観察4ヶ月経ちました。
現在のところ、わずかな冷水痛(冷たい物がしみる)程度で、歯の変色は認めません。
歯髄反応(EPT)も正常範囲です。
歯髄が失活し壊死(歯の神経が死んでしまう)すると歯が変色し、歯髄反応(EPT(-))がなくなります。
失活ししばらくすると、レントゲンでも根尖部に透過像(黒い影)が出来てきます。
上記のようなことが起こらないか定期的な経過観察が必要となります。
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