芦屋市の歯科(歯医者)「朝日ヶ丘タカハシデンタルクリニック」の【歯性上顎洞炎（蓄膿）】『抜歯したくない』。歯茎が痛くて膿が溜まっている。ページです。

『抜歯はしたくない』

芦屋の歯科（歯医者）「朝日ヶ丘タカハシデンタルクリニック」院長の高橋です。

患者様は、令和３年１１月初診。　他院で左上奥歯を治療中。

『左上奥歯の歯茎が痛くて膿が溜まって痛かった。耳鳴りもしていた。今は痛くはないが、担当の先生からはこの歯は抜くしかない』と言われた。

次回の予約は、ひとまず切開して膿を出す（消炎処置）予定。

しかし、『抜歯はしたくない』とのことで当院へ来院されました。

初診時所見

左上７仮封中　根尖部腫脹・圧痛（ー）　打診痛（ー）

レントゲン・CT所見

・左上７頬側２根を取り囲むように直径約9㎜大の透過像が上顎洞底の皮質骨を一部穿孔している。

　また、上顎洞粘膜の著明な肥厚を認めました。

・遠心頬側根（DB根）は未治療（手付かず）でした。

・口蓋根（P根）は明らかな病巣はありませんでした。

・遠心歯質は少なく、歯肉縁下（カリエス）欠損の状態でした。

診断

これは、口腔内の細菌が歯の中（根管内）を通り上顎洞粘膜に炎症を起こしている。いわゆる『歯性上顎洞炎（蓄膿）』という状態でした。

治療は、『精密根管治療』及び健康な歯質を出す『歯周外科処置』が必要でした。

ただし、根尖部の炎症が強く症状が改善できなかった場合には、部位的に根尖部外科処置が難しく「抜歯」が必要になることに同意いただき治療を開始しました。

治療

まず、歯の遠心側に健全歯質を露出させるために『ディスタルウェッジオペレーション』という歯周外科処置を行いました。

また、細菌の混入及び薬液の漏出を防ぐために『隔壁』も作成しました。

その後、ラバーダム防湿を行い『精密根管治療』を行いました。

根管内をマイクロスコープで覗き、近心頬側根の根管充填剤（ガッタパーチャ）を除去すると破折ファイルと根管内からのアクティブな出血を認めました。

患者様には、近心頬側根内でパーフォレーション（根管穿孔）を起こしている可能性を説明し、バイオセラミックスを用いパーフォレーションリペア（修復）を行いました。